食/自然農 

Natural farming

生き方を教えてくれた自然農

私は自然農に出会って生き方が変わりました。

自然に沿った暮らしをすること。

日本人は元々、自然に寄り添って生きて来たんだということに気付かされたのです。

現代社会は人間中心の考え方で他をコントロール(支配)しようとする考え方になってしまっています。

畑、農業もそうですが、それは人間関係でも、、、あらゆるところでそうなっているのではないでしょうか。

自然に寄り添う心と同じように、相手に寄り添う心も大切ですね。 

自然界は上も下もない、多様性・循環の世界

自然農の畑では色んな草が生え、様々な生き物も棲んでいます。一般的には害虫・益虫などと分けて考えますが、それは近視眼的なモノの見方であるからそうなってしまうのだと思います。

俯瞰すると、実は良いも悪いもなく、ただ循環しているだけと言うことが観えてきます。

 

実際に、草の多様性が出てくると野菜が良く育つという経験もありました。

これを人間界に置き換えると、色んな生き方、考え方、価値観の人達(多様性)が居る中で育つことで、人も健全に生きることができるということかも知れません。

 

私達はつい、何が悪い、これが正しい、誰が上で誰が下、などとと分けて考えますが、自然界では全てがただめぐっているだけで、私達もそこで生きているのです。

畑は自分の心を映し出す

色んな土地で畑でやっていると、面白いことがありました。それは同じ土地でもやる人によって結果(現象)が違ってくるということです。

草や虫を敵だ悪だという考えでいると、どうしても草や虫を排除しようとする行動に出ます。色んな対策をされるのですが、結果的に草に負けたり野菜が病気になったりしてしまっているようでした。

ですが、隣の地続きの土地でやっている私の畑ではそういった問題は起こりませんでした。それどころか年々野菜の育ちは良くなって行く。

 

同じ土地でも結果としての現象がこれだけ違うのは、自分の心の反映としての考え方、行動によるものだと思います。自分の向き合い方、心が畑に映し出されているのです。

お金には代えられない価値観

街で生きていると、全てお金がないと得られませんし、お金が絶対的な価値になりがちです。暮らしの中に自然があると、食べ物は田畑や山、海で手に入ります。また、近所のお爺さんお婆さんと物々交換なども嬉しいですね。

 

何より、田畑で育って行くお米や野菜に日々接することができる喜びは、お金には代えられません。便利さを求めるばかりに失ってしまったこういう体験を取り戻すことは心豊かに生きるために必須なのだと思います。

食べ物の危険性

食べ物についてですが、日本の状況はかなり悪いと言えます。農薬、化学肥料の問題。土地は汚染され、栄養素は減り。また食品業界では添加物や新型栄養失調の問題。

 

経済を優先し過ぎたために自然や様々な生命の健康が脅かされています。自然に寄り添った農を行うことが、こういった問題の改善にも繋がって行くと思います。

食料自給率の問題

また、敗戦後の国は第一次産業を疎かにし、お米の減反をしたり食糧を輸入に依存する政策をして来たために、日本の自給率は低くなってしまいました。これはアメリカが小麦を売りつけたいという思惑や日本の国力を落とす意味もあったのだと思います。

私達も食べ物はお金を出せば買えると勘違いするようになってしまいました。

ですが、いくらお金があっても売ってくれなければ食べるモノは入って来ないのです。

 

生きるために必要な食糧は、本来国で保護しなければいけないのですが、現在の日本はそうではないので、それならば個人個人が小さくても田畑をやる必要があります。

自分の命は自分でも守れるようになりましょう。

 

母なる大地ということに気づく

これは私の最も大きな気づきです。

全ての生命は太陽、月、地球があって生きることができます。植物は大地(地球)から芽を出します。食べ物も、家も、服も。大地からの恩恵を受けて私達は生きてきました。そこには大きな感謝があったはずです。

母なる大地、母なる海、母なる地球。

それが自然に関わる生き方をして実感として分かって来たのです。

 

ですが、現代農業はその大地を汚し、破壊し、奴隷のように支配しているように見えてしまうのです。

それはまるで、権力、地位に囚われた現代の男性優位の支配構造の社会と同じように見えてしまいます。

本来、大地、女性は支配の対象ではなく生命の源であり、敬われる存在ではないでしょうか。

 

自然に寄り添った農を行うことは、大地を大切にし、それは女性を大切にする考えに繋がると思うのです。

次の世の中を創って行く意味でも、とても大きいと私は考えています。