ここでは足の指が痛くて歩くのが辛かった方の症例を報告します。
Mさん(女性 74歳)は3カ月ほど前から歩くと左足の親指の甲側に痛みを感じるようになりました。
その後、右足の同じ部分にも痛みが出てきて困っていると言うことで施術を依頼されたのです。
左足の状態を確認
まずは問診から初めました。
左足について・・・
高校時代に左足首の捻挫をしてきた。
40代くらいから外反母趾気味になって来た。
3カ月くらい前から歩くと痛みが出る。
1カ月前から右足の同じところに痛みが出はじめ、寝てても疼く
靴屋さんに行ったら、
足裏の重心が、後ろ(踵側)と外にかかっている。
アーチが落ちている。
と言われた。
次に左足首の動きや足指の筋力を確認しました。
すると、
親指や人差し指の力が入りにくい
足首を内側に捻じるのがやりにくい
ということでした。
施術後の変化
施術は、足首の内側と外側のさぼり筋を働かせる
足指のさぼり筋を働かせる
ことを中心に、下半身の施術をやって行きました。
痛みを10(強い)~0(なし)で表すとして、
施術後、痛みの出る動きをして確認してもらったところ、
施術前 10→施術後 2
に変わっていました。
筋出力アップと筋力アップは違う
Oさんは痛みがかなり軽減されたのでとても喜んでおられました。
ですが、その時改善したからと言って本当の意味で良くなったわけではないですよ、とお伝えしました。
その理由は・・・
施術を行ったことで、
①働かなくなっていた筋肉(さぼり筋)が働き始め、
②負担がかかっていた筋肉(がんばり筋)の負担が減り
→身体の使い方が変わって痛みが軽減したのは事実ですが、
さぼり筋はようやく動けるようになってきただけで(筋出力アップ)、筋繊維は細いままです。
放っておくとまた戻ってしまうのです。
本当に良くなると言うことは、筋繊維が太くなって(筋力アップ)自らその状態を維持できることなのです。
ですから、施術の継続とセルフケアの継続が暫く必要なのです。
最初は他力ですが、少しずつ自力の割合を増やして行き(生活習慣改善、セルフケア)、患者さん自身が成長して行くのが本当の治療、医療の目的ですね。