ここでは膝が痛くて歩けなかった方の症例の解説の続きをします。
まず、膝が痛いと言っても痛む場所は色々あります。
そして「痛みの出る場所が違う」と言うことは、やはり「原因も違う」ということなのです。
Kさんの場合は膝の「外側が痛い」ということでした。
膝の外側が痛くなる原因は、股関節を支える筋肉にある?
前回書いたように、Kさんの股関節の動きは、痛みが出ている右足が
●内股にはしやすく(内旋)、
●あぐらをかく・ガニ股気味にするのがしにくい(外旋制限)、
という状況でした。
これは筋肉のアンバランスの結果起こっているのです。
股関節に関係する主な筋肉は、
①腸腰筋・内側ハムストリングス・・・屈筋=身体を縮める筋肉
②腹横筋・多裂筋・内転筋・・・伸筋=身体を伸ばす筋肉
です。
①の筋肉が働くと、身体は前かがみになり膝も曲がります(受け越し、骨盤後傾、ガニ股)。
②の筋肉が働くと、身体は反り気味になり膝は伸びます(反り腰、骨盤前傾、内股)。
Kさんの場合、右股関節は①の筋肉が弱っている(さぼり筋)ると考えました。
弱っている筋肉を庇おうとしてがんばる筋肉から痛みが出る?
筋肉はそれぞれがバランスよく働いているうちは硬くなりにくく痛みも出ませんが、長年の身体の癖が積み重なって働かない筋肉と働き過ぎる筋肉というアンバランスの状態が作られてしまうのです。
Kさんの場合、骨盤から股関節を支える筋肉の内、骨盤後傾にし、股関節をガニ股に働かせる筋肉が弱っていたことで、それを補うために過緊張になっている筋肉がありました。
それが太ももの外側から膝の外に付いている筋肉(大腿筋膜張筋)なのです。
このように、痛みが出る背景には弱っている筋肉の存在があるのです。
では、続きはまた書いて行きます。
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